入居者のために取り組むべき防犯対策

2025年06月20日

 

近年、強盗や空き巣などの犯罪が増加し、人々の住まいへの防犯意識がこれまで以上に高まっています。

特に、賃貸マンションのオーナー、管理会社の皆さまにとっては、入居者の安心・安全を確保することが重要な課題です。

そこでどのような物件が狙われやすいのかについて紹介するとともに、具体的な防犯対策の実例、そして既存の設備を活かした防犯強化の方法について詳しくお話します。

 

 

住まいの防犯対策

 

 

1.狙われやすい物件の特徴

 

まず、犯罪者が狙う物件には共通する特徴があります。次のようなポイントを持つ物件は、特に狙われやすく注意が必要です。

 

(1)防犯意識が低く見える ​

・郵便受けがチラシや郵便物でいっぱい ​

・インターホンに防犯対策が不十分 ​

・共用部分に防犯カメラがない ​

・ゴミ置き場のルールが守られていない ​

・施錠や管理がルーズ ​

 

(2)死角が多く人目につきにくい場所にある ​

・駅から遠く、防犯カメラや街灯が少ない ​

・近隣住民との交流が少なく、不審者がいても気付かれにくい ​

・玄関ドアや鍵が古く、不正開錠されやすい ​

・1階ベランダ側窓に防犯対策がされていない ​

・路地裏や人通りが少ないエリアに立地している ​

 

(3)防犯対策が不十分

・オートロックがなく、インターホンにカメラがない

・玄関ドアや鍵が古く不正開錠されやすい

・1階ベランダ側窓に防犯対策がされていない

・防犯カメラやセンサーライトがない

 

こうした条件がそろうと、犯罪者に「この物件は入りやすい」と思われてしまいます。

2.具体的な防犯対策例

 

(1)防犯カメラの設置

・エントランスやエレベーター、駐輪場、ゴミ置き場にカメラを設置する ​

・定期的に録画データをチェックし、動作確認を行う ​

・「防犯カメラ作動中」のステッカーを目立つ場所に貼る ​

 

(2)共用部の照明強化

・共用廊下やエントランス、駐車場に照明を設置する ​

・建物周辺の街灯が不足している場合は、自治体と協力して改善を図る

・人感センサー付きのLED照明を設置する ​

 

(3)開口部(玄関・窓)の防犯強化

・窓には補助錠や防犯フィルムを設置する ​

・特殊な鍵やスマートロックを使用する

・侵入に時間がかかるような対策をする

 

(4)オートロックと宅配ボックスの導入

・エントランスのオートロックを最新の顔認証システムなどに変更する ​

・宅配ボックスを設置し、住人が他人と対面する機会を減らす ​

 

(5)既存の設備を活かした防犯

・既存の照明をLED照明に交換し、明るさを確保しながら電気代を抑える ​

・防犯カメラの向きや画角を調整し、死角をなくす ​

・録画データを定期的にチェックし、管理を徹底する ​

・オートロックの共連れ禁止を徹底する ​

・入居時に「防犯マニュアル」を配布し、注意喚起を行う ​

 

(6)住人に対する注意喚起

・オートロックがあっても「後ろから来た人を安易に入れない」よう注意喚起を掲示する ​

・防犯フィルムや補助錠の自主的な設置を促す ​

 

(7)高齢の住人に対する特別な配慮

・管理者が常駐している物件では積極的な声掛けを行う ​

・最新の防犯対策の仕組みを説明する機会を設ける

 

(8)防犯環境設計

・駐車場やベランダ側に花壇を設置し、人の目が集まりやすい環境を作る ​

・ベンチを配置し、散歩途中のシニアが座れる場所を設ける

 

 

 

このような取組みで物件の安全性を向上させ、入居者に安心を提供することができます。

そして防犯意識が高まる時代に防犯強化をすることは空き室対策にもつながります。

逆に何もせず放置することは入居者に選ばれない物件となるでしょう。

よって、定期的に見直して改善を続けることが重要です。

ぜひ、物件の防犯力を高めるためにできることから実践してみてください。